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新型インフルエンザ - 秋口以降の対策が重要かもしれない

新型インフルエンザが収束状態になったことから、職場のインフルエンザ対策が緩和された。会社として、職場内の「手洗い」と「うがい」の励行などは継続するものの、関西方面への出張自粛などが解除された。

食品メーカーの工場などでは、来客に対して、構内入場の際に、「手洗い」と消毒をお願いしたり、マスク等を着用していない納入業者の構内来場を認めないなどの対策を実行するなど、今回の新型インフルエンザでは、コンプライアンの視点もあいまって、対応に追われた会社が多いと思うが、これらの対応もひとまず解除されているといったところだ。

この春の新型インフルエンザが第1派だとすると秋口とも言われる第2派に対する対策のほうが、より重要だとする考えかたが主流だと考えたほうが良い。

【 ココログニュースの要約 】 2009年6月4日

世界の警戒は、すでに第2波に向けられている。第1波は、感染力は強いものの致死的なウイルスではなかった。しかし、第2波はそういうわけにはいかないかもしれない。各国で有識者が過去の事例を引き合いに注意を呼びかけている。7月から南半球は冬。今回の新型インフルエンザは、季節性インフルエンザウイルスとともに南半球を回る。この新型インフルエンザウイルスが、再び北半球の冬に戻ってくるとき、どのような変異を遂げているのか?予測できないのが恐ろしいというのだ。

ウイルスは変異が激しく、容易に抗ウイルス薬に耐性ができたりする。第2波がタミフル耐性を持っていて、致死的になっていたら、ひとたまりもない。1957-1958年のアジア風邪のパンデミックでも、第1波よりも第2波のほうが被害は大きかったという。各国での警戒は、第2波に向かっている。

以上が、ココログニュースの内容であるが、パンデミックというと、1918年の「スペイン風邪」が頭に浮かぶ。

1999年2月22日のロイターの記事で、『「スペイン風邪」のウィルス遺伝子解読』という記事があった。

この記事では、①.スペイン風邪のウィルスが一般的な豚インフルエンザのウィルスに似通っていたこと②.鳥から豚に伝染し、豚の体内でより人間が感染しやすい性質に変わる過去には、春に弱いインフルエンザが発生し、その秋に豚のインフルエンザが発生、その後、人間の犠牲者を出すようなインフルエンザが流行するというパターンがあった、ということが記載されている。

【 ロイターの記事 】 『スペイン風邪』のウィルス遺伝子解読 1999年2月22日

ワシントン発2月15日(米国時間)に発表された報告によると、1918年に世界中で流行し、何千万人もの命を奪った、いわゆる『スペイン風邪』として知られる悪性のインフルエンザの犠牲者の凍死体や保存サンプルから、そのウィルスが一般的な豚インフルエンザのウィルスに似通っていたことがわかった。

この報告は、米軍病理学研究所の研究チームが『全米科学アカデミー紀要』に掲載したもの。問題のインフルエンザの流行で死亡した3人の組織サンプルから十分な遺伝学的材料が得られ、そのウィルスの中の核心的遺伝子をマッピングする(遺伝子配列を確認する)ことができたという。

「今日存在する型のウィルスで、1918年の配列に最も緊密な関係があるのはA/Sw/Iowa/30という最も古い典型的な型の豚インフルエンザだ」と、アン・リード氏とジェフリー・トーベンバーガー氏が率いる研究チームは書いている。

「1918年のインフルエンザの流行は特に深刻で、2000万人4000万人が命を落とした。若い健康な成人の死亡率が異常に高かった」

1918年のインフルエンザがなぜこれほど特殊で、そして致命的なものだったのかを解明しようと、研究者たちはずっと努力を続けてきた。

科学者たちの興味は、ウィルスの由来にもあった。それがわかれば、医者がインフルエンザへの最良の対処法を考える上で役に立つかもしれないからだ。しかし、1918年のインフルエンザの研究者にとって障害となっていたのは、1つには80年以上前に亡くなった人々から利用可能なサンプルを見つけることの困難さだった。

1998年、あるチームがノルウェーのスピッツベルゲン島に埋葬された遺体からサンプルを取り出そうとした。しかし、遺体は永久凍土層よりも表層に近いところに埋葬されており、有用な遺伝学的サンプルを得られる保存状態ではなかった。

米軍病理学研究所のチームは、アラスカのスーアード半島の永久凍土層に埋葬されていたイヌイットの遺体から採取したサンプルと、サウスカロライナ州のフォートジャクソンで亡くなった21歳の兵士とニューヨーク州のアプトン基地で亡くなった30歳の兵士のホルマリン保存された組織を使った。

彼らは、これらサンプルの血球凝集素からウィルスの全遺伝子のマッピングに成功した。血球凝集素とは、インフルエンザウィルスが細胞を感染させるときに使う蛋白質で、科学者はインフルエンザの型を確認する際にまずこれをチェックする。

インフルエンザは常時変異を続けるため、非常に厄介なウィルスとされている。科学者らは、このウィルスは鳥に由来し、ときに直接鳥から人間に広まると考えている。1997年に6人が亡くなり、香港でニワトリの大屠殺が行なわれるに至ったのはその一例。

もっとよくある形としては、鳥から豚に伝染し、豚の体内でより人間が感染しやすい性質に変わるというもの。

米軍病理学研究所のチームは、1918年のウィルスが鳥から直接人間に伝染したのか、まず豚が感染したのか、または人間から豚に伝染したのか、ということについては、まだはっきりしていないと述べている。(追記参照)

彼らの指摘によると、過去には、春に弱いインフルエンザが発生し、その秋に豚のインフルエンザが発生、その後、人間の犠牲者を出すようなインフルエンザが流行するというパターンがあったという。「このようなパターンは、1918年のインフルエンザが人間から豚に広まったという説を支持する」と研究チームは述べている。

(記事終了)

追記 【 産経新聞 】 2005年10月6日

1918(大正7)年に大流行し約5000万人が死亡したとされる「スペイン風邪」のウイルスが、97年以降に東南アジアなどで死者を出している鳥インフルエンザの「H5N1型」ウイルスとよく似た特徴を持っていることがわかった。米国の複数の研究機関の研究成果で、英科学誌「ネイチャー」(2005年10月6日号)と米科学誌「サイエンス」(7日号)に論文が掲載される。

研究に使われたスペイン風邪のウイルスは、大流行時に死亡した患者の肺の標本などから取り出した。

米軍病理研究所のグループは、スペイン風邪ウイルスの八つの遺伝子の塩基配列を解読し、このうち三つの遺伝子を既知のインフルエンザウイルスと比較。その結果、ヒトインフルエンザより鳥インフルエンザによく似ていた。

一般に鳥インフルエンザは人への感染力が低く、ブタの体内で人に感染する「新型ウイルス」ができるとされるが、研究グループは、スペイン風邪ウイルスや「H5N1」のようなタイプでは、ブタを介さなくても人への強い感染力を持つ可能性があることがわかった、としている。

一方、米疾病管理センターは、スペイン風邪ウイルスの八つの遺伝子を人工的につなぎ合わせて、生きたスペイン風邪ウイルスを再生。このウイルスは、ニワトリの受精卵やマウスに対し、鳥インフルエンザと同様の感染力を持つことを確認した。スペイン風邪ウイルスの遺伝子の一つを組み込んだウイルスは、人の細胞内で増殖力が強くなった。研究チームは、この遺伝子がスペイン風邪の強力な病原性にかかわっているとみている。

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